2017年1月2日月曜日

詩集「コネコのコゴト」 「ファッション」編

詩集「コネコのコゴト」とは
作家パセリによる2005年から2017年現在までの十一年間
ホームページ上で掲載されたコラムです (現在も連載中)


猫と偏愛
 
 私は猫好きだけれども
 
 猫を偏愛する人は嫌いだ


猫株式会社
 そこは運を仕分けする工場
 わがままをいったり
 誰かを欺いたりすると
 運が悪くなる

 猫たちは常にみている
 
 運の株式会社の社員だったとは!
 今日もどこかで 運を仕分けしている


パーマ
 格好をつけるために
 格好の悪い作業をされる
 こんな矛盾
 嫌いじゃないけれど


ゴシップ1:「猫の自殺」
 「クルマを運転していたら 猫が路上に

 ちょこん

 と すわっている 

 私は徐行をしながら クルマで猫に近づく 

 やつはいっこうに 動こうとしない 

 あいつはきっと いやなことでもあって 
 死にたくなったのだろうか?」
 
ゴシップ2:「極限の愛について」

 「彼女 は 交通事故にあった
 
 運転席の 彼 は既に
 頭がどこかにとばされて なくなっていた
 
 比較的 軽症で済んだ彼女が
 とっさにとった行動は
 
 彼の睾丸を
 割れたガラスの破片で切り落とし
 
 二つのそれを
 彼女の子宮に押し込んだことだった」 



影交
 夜に近づき
 人々の影が長くなる頃
 全ての影が交ざり合い
 黒い夜となる


愛の勇気

 愛を告白する勇気は
 戦いの勇気と違い いつでも正しい
 たとえそれが 不貞であったとしても


いい大人
 年を取ると 忘れやすくなる
 近頃の罪悪感でさえも
 だから 男女絡みの失敗は
 いい大人(いい歳の大人)ほど 繰り返される


鳥たちが愛しあうとき

 子供A:「ねえ 鳥は唇
(クチビル)がないからキスできないの?」

 子供B:「舌でスル
んだよ



 ホモとレズ
 
 ホモな女が
 レズな男と
 結ばれた



満月の匂い

 今宵は
 
 満月 の 匂い
 
 がする


奇妙な欲のにおい
 真 の 芸術
 からは おいしそうな
 奇妙な 欲 の におい
 がする


実験室のにおい

 実験室は多くの人が考えあぐねた
 苦悩の
 「脳みそ の におい」
 がする


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