詩集「コネコのコゴト」 「社会・会社・組織」編

詩集「コネコのコゴト」とは
作家パセリによる２００５年から２０１７年現在までの十一年間
ホームページ上で掲載されたコラムです (現在も連載中)

自制の薬

　会社　組織　社会などは

　自惚れを抑制する良き特効薬となる

現在・過去・未来

　年上への批判は　自分の未来への戒め

　年下への批判は　自分の過去への戒め

　同年への批判は　自分の現在への戒め

ミス・ユニバース(Mistake Universe)

　彼女はわざと相手の前で　すごく自然にミスを犯し

　そして相手が正しく優勢であると思わせる特技を持っていた

　そのせいで相手は　自分の正しさに一時的に酔いしれて思考をやめるのである

　そういう類のことを　彼女は誰よりも瞬時に理解していた

　そんなわけで　彼女の絡むその社会での彼女に対する評価は

　低くなりさがってしまったのであるが

　数十年経ったころには

　

　その社会で誰も追従できないくらいの偉人になっていた 

ベテランの示す兆候

　ベテランがミスを犯すことが多くなっている場合には

　

　世の中の基盤が変わってきているという兆候でもある

自惚からの覚醒

　自分の自分に対する過大評価を

　過小評価に転じさせてくれる人々に出会えること

　社会に飛び出して　そのような人々に出会えること程

　ラッキーなことはない

社会における　単純性　と　複雑性

　社会に飛び出てニュートラルにしていると

　意外にも　世の中の仕組みが

　シンプルで純粋な物であることに気づく

　世界を複雑にさせているものは　自分の中の根拠のない

　被害妄想　と　加害妄想

　だけれども人はきっと妄想を　辞めれないだろうから

　世の中はやっぱり複雑になる

金と時間

　時間をつぶすために金を稼ぐのか

　金を稼ぐために時間をつぶすのか

　凡人の定義とは

　このようなことをして耐えられる人々

完璧主義

　ある平均的な社会が求めている人間像は

　『完璧な人間』ではなく

　『完璧になろうとしている人間』らしい

実務レベル

　実務レベルとは理想からちょうど良く妥協し

　近似することができるレベルをいう

　さもなくば　いつまでたっても

　正確さの呪縛から逃れられず

　先に進むことができない

間違いだらけ

　相手の間違いを指摘したことが間違いであったとき

　一斉放火してその間違いを指摘することもまた間違いとなる

浮浪者ポスト

　ソシテ

　いつの間にかゴミ箱は

　浮浪者のポストになった

正しい天邪鬼(あまのじゃく)

　本心からひねくれ者で天邪鬼の組織は結局　ひねくれた悲しい結末に終わる

　冗談と遊びでひねくれているものにしか　ほどよい幸せはやってこない

世の中を3％よくする方法

　

　ほかの人ができていて

　

　自分ができないことを否定しない

　ただ　それだけで

　

　世の中は3パーセントよくなる

消費税５％

　思想的な真似をしない

　ただそれだけで　個性の９５％は保つことが出来る

　残りの５％は消費税みたいなもので

　社会生活の中で平和に暮らしていくための

　「演技」　である 

前進する文化の条件

　簡単な会話でも

　自分の非を瞬発的に認めようとしない癖のある下手な競争社会では

　自分の非を責められたときに

　反動的に正しくないことを相手に認めさせようとする悪い癖が生まれる

　そんなとき　文化は一時的に後退する

　後者の癖がなくなっただけでも

　文化は一時的に回復する

　前者の癖がなくなったとき

　文化は初めて前進し始める