2017年1月2日月曜日

詩集「コネコのコゴト」 「自分」編

詩集「コネコのコゴト」とは
作家パセリによる2005年から2017年現在までの十一年間
ホームページ上で掲載されたコラムです (現在も連載中)



(たこ)

 「昔 バイト先の佐藤さん から言われたことがある 
 
 あんたは 糸が切れた凧のよう 風に身を任せ いつまでプラプラしてる?
 そのときは それでいいと思ってた
 だけど今は 違うような気がする
 糸が切れた凧ならば
 自分の行きたいところにさえ行けないことに気がついた
 だけど 勘違いしてはいけない
 しっかり大地に根を下ろしても
 根ががっちりしすぎて
 行きたいところには行けないだろう
 だから わたしは凧の糸を切るわけにはいかない
 どこまでも高く
 糸を伸ばし続けなければならない




ハートキー

 私たちの閉ざされた心を開ける
「鍵」
 は 誰かが持っているかもしれない

 それは 恋人 家族か?
 
 それは 自分の中にあるかもしれない

 宝箱を開けるための鍵が宝箱の中にあっても

 開けられないわけじゃない

 また それはどこにも無いのかもしれない

 そんなもの 最初からないこともある

 たまに 心を開け放って
 「心の換気」
 をしたいときがある
     
 僕は鍵をどこかになくしてしまったようだ





カーテンのない部屋

 自意識過剰な人間には
 カーテンの無い窓張りの居室で十分
 カーテンなんてあっても無くても
 誰かの目を気にしているのだから





(ツガイ)

 道端で餌をついばむ一羽のスズメ
 一生懸命 羽を繕っているところに
 もう一羽 その子の傍にやってきた
 番か?
 後から 舞い降りたスズメは
 そのスズメが好きなのかな?
 勇気を振り絞って飛んできたのか・・・ 
 
 そうか
 
 
 長らく 人の傍に自らの意思と無関係に近寄っていない

 多忙な毎日 多くの人々と接する機会が多いにもかかわらず

 私は 人に近寄っていない 自らの意思で 
 スズメのように 自然に そして華麗に近寄る方法を忘れてしまった
 自分のことがいっとき スズメより臆病な動物に思えるときがある






自分から逃げるためのいろいろな方法
 
 ある社会や環境 組織から逃げたくなったのなら
 
 まだ逃げ場所はたくさんあるし
 その組織や環境から離れればそれで済む 

 だけれど自分が自分に本気で厭
(いや)になって
  
 自分から逃げたくなったのならば 

 努力などをして自分を高める方法がひとつの手段になるけれど
 それでも そんな気力がないときは
 自殺という手段がとられる時がある

 
  社会から逃げるために自殺するのか
 
 自分に厭(いや)になって 自分から逃げるために自殺するのか


 原因が後者であるならば その人を救うことは なかなか難しい
 
 
 しかし 歳をとるほど 自分が厭になって それでも生きていけるのは
 半分 あきらめているから
 しょうがない は ときどき 人を救う





リセット睡眠
 睡眠は しょうもない自分 を忘れるチャンス
 長く起きていると 自分の しょうもなさ に嫌気がさしてくる











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