作家パセリによる2005年から2017年現在までの十一年間
ホームページ上で掲載されたコラムです (現在も連載中)
回帰
ずっと遠い過去が近くなり
ずっと近い過去が遠くなるのは
地球に回帰するための準備なのかもしれない
準備された偶然
老獪(ろうかい)な年寄り程
偶然と思わせる術を知っている
臭い示唆
スマートに人々の自発を誘発できない人々が 不自然に行う
「臭みのある示唆」 は むしろ人々の消極を招く
自惚過ぎた老人
長い間 自惚(うぬぼ)れた 御老体かどうかは
半端に 間延びした 非常識
で容易に判断することが出来る
大きな恥
科学の知識 や 難しい社会の仕組み
など知らなくともあまり恥でもないが
人の悲しみ や 苦しみ を知れなければ
大きな恥 となる
熟成
非常に大きな 矛盾
しかも致命的な矛盾
を孕んでいるのだが
成長をやめなければ
熟成しない
人においても
人格形成
自らの人間性に
手を加える余地が
なくなってきている
ということは
人格が完成に近づいている
と同時に
頭が固くなってきている予兆である
未練
過去の恋愛の記憶に執拗に取り付かれて
新しい恋ができないでいるなんて
バス停の無いところで
バスを待っているようなもの
そんなときは 近くのバス停まで
ただ 歩いていけばいい
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